セルインメイが本当なら毎年夏場(6、7、8月)だけ投資信託やETFを買えば長期投資家は有利なんですか?答えは。。。
- 2017/04/16
- 19:30

「株は5月に売れ!」投資をしたことのある人なら一度は聞いたことがあるアメリカ相場の有名な格言です。NYダウやS&P500は、5月近辺を高値に、その後、夏場にかけて下落して9月頃から値上がりするケースが多いということのようです。
ならば、毎年1回だけS&P500へ投資するという長期投資家は、6月(夏場あたり)に投資信託やETFを購入すると、他の月(7,8月を除く)に購入するよりも有利なのだろうか?という疑問が生まれます。
で、どうしようか?
この格言は過去の経験則から述べられているものなで、過去のデータを検証して答えを確認してみようと思います。
検証の前に1981年~2017年までのS&P500の株価(ドル推移)を確認してみましょう。

青線: 株価推移
オレンジ線: 5月の株価
グラフを見ると、5月以降夏場に向けて、株価が下落している期間もあるようですが、正直よくわかりませんね(笑)
と、いうことで検証に移ります。
ある特定期間を選択してシミュレーションすると、自分にとって都合のよい結果となる期間を選んでしまう恐れがあるので、次のような条件で検証します。
■架空のS&P500円換算に連動するインデックスファンドに10年間積立てる
■毎年6月1日に購入 vs 毎年2月1日に購入
■積立額: 毎年60万円分購入(合計600万円、日本円で投資する)
■検証期間:
1982年~2017年の36年間から、異なる10年間の302区間を評価する。
10年間(1982年2月~1992年1月)を1区間として、1か月ずつずらして、最後は2007年3月~2017年2月で終了。
イメージは以下です。
1区間:1982年2月~1991年1月
2区間:1982年3月~1991年2月
3区間:1982年4月~1991年3月
300区間:2007年1月~2016年12月
301区間:2007年2月~2017年1月
302区間:2007年3月~2017年2月
全区間で必ず購入回数は10回となり、その区間の最後の月の株価でリターンを算出する。
■コストなし
■配当無し
で、早速ですが、10年積立投資のリターン推移(302区間)の比較結果です。
どんなグラフになるか想像してください。
まずは、自分の頭でイメージしてから答えを見てくださいね。
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1992年1月の縦軸にプロットされた値は、1区間目1982年2月~1991年1月の10年間の積立リターンです。
上のグラフをご覧になった皆さん、[毎年6月に購入] vs [毎年2月に購入]のどちらが有利に見えますか?
答えは、どちらもほとんど同じです。もちろん何月に積立てても長期投資の成績に大差はありません。(短期的な投資の場合はタイミングが良ければ利益を得られると思いますよ)
もし、あなたが有名な格言を意識して夏場というタイミングを選んで投資したいのなら止めたりはしませんよ。しっかり時間分散して、生涯投入額が同じならリターンはほとんど変わらないのだから、個人の自由にすれば良いと思います。
ぐっどらっく
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