S&P500と日経平均の10年間積立投資リターンの推移から「見える真実」とは?
- 2017/03/24
- 21:58

先日は、以下の記事で、S&P500へ日本円で10年間積立投資した場合のリターンの推移を確認しました。
■積立投資は10年続けよ!為替の乱降下恐れるべからず!S&P500への10年間(日本円)積立リターンの推移から見える真実 「勝率」8割超え
今日は、日経平均に10年間積立投資した場合のリターンの推移はどうなるか確認してみたいと思います。その前に、日経平均の株価推移をご覧ください。

引き続き10年間積立投資のリターン推移を確認します。ある特定期間を選択してシミュレーションすると、自分にとって都合のよい結果となる期間を選んでしまう恐れがあるので、次のような条件で検証します。
■架空の日経平均に連動するインデックスファンドに10年間積立てる
■1984年~2017年の33年間を評価
■10年間(1984年2月~1994年1月)を1区間として、異なる10年間を279区間評価する。1か月ずつずらして、最後は2007年4月~2017年3月で終了
イメージは以下です。
1区間:1984年2月~1994年1月
2区間:1984年3月~1994年2月
3区間:1984年4月~1994年3月
311区間:2007年2月~2017年1月
312区間:2007年3月~2017年2月
313区間:2007年4月~2017年3月
■毎月100円(12000円)の定額積立です
■コストなし
■配当無し(リターンが下がる状況での評価をします)
で、早速ですが、10年積立投資のリターン推移(279区間)の比較結果です。

1994年1月の縦軸にプロットされた値は、1区間目1984年2月~1994年1月
の10年間の積立のリターンです。
元本を下回る期間は65%(182区間)あり、大半の期間で惨敗という結果でした。
2000年まではバブル期の高値買いの影響で負け。
その後はITバブル崩壊による暴落で負け。
その後は世界金融危機による暴落で負け。
唯一、勝っているのは2006年前後の上昇相場、2012年以降アベノミクスの上昇相場でタイミングよく売った人だけです。
<注>10年積立での結果を述べているだけで、タイミング投資を推奨したり、日本株式への分散を否定していないので注意してください。もちろん10年で投資を止めずに続ければ違った状況になります。
次に,S&P500へ日本円で10年間積立投資した場合と日経平均に10年間積立投資した場合のリターンの推移を並べてみましょう。

2006年以降のリターンの推移がそっくりですね。
2000年くらいからS&P500(円換算)と日経平均が同じような値動きをしているのが原因です。
いろいろと推測が浮かびますが。。。
検証結果から長期積立投資をする上で絶対やってはいけないことがわかります。
たった一点「円高、株安の暴落時に狼狽売りしてはいけない」という当たり前のことだけです。
また、暴落期間が長いと、元本割れしている期間も長いです。したがって、元本の50%の価値になっても許容できるという人でも、長い期間の元本割れには耐えられない事情(年齢、精神的、生活面の事情)のある人は、長期積立投資に向かない方だと思います。
それともう一点、「インデックス投資は高値で始めようが安値で始めようが長期になれば、平均化されてリターンは同じになる」と呟く人がいますが、それウソですよ。
あるいは、その方の想像か希望的観測です。
積立期間を10年から20年、30年と伸ばそうが、配当を再投資しようが、どれだけ分散しようが、どれだけリバランスしようが、コツコツ買いだけでなく、出口でコツコツ売りしようが、「いつ始めようが平均されてリターンは同じ」になったりしません。過去にそのような事実はありません。
ただ、いつ始めれば有利か分からないので、今すぐ始めよう!と言う話であれば理解はできます。
結局、暴落に負けずにコツコツ長期積立して、上昇相場に転じれば、大きな含み益を得ることができます。それを一気に売却するか、コツコツ年金として売却していくかは、あなた次第です。
長くなりましたがお付き合いいただき有難うございました。あなたの長期積立方針、出口戦略を考える上で少しでもお役に立てれば幸いです。
ぐっどらっく。
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